この日はランニングマシンで走行に取り組みました。
背筋を伸ばして、腕をしっかり振って、前を見て・・・と正しいフォームを教えています。
走行が苦手なお子さんは少なくありません。
なぜ苦手なのでしょうか?
①意識が途切れやすく、ひとつの行動を続けることが苦手なため
走っている間に意識が途切れてしまい、立ち止まってしまう・大きくペースダウンしてしまう、などの現象が見られます。
②体の機能が未分化なため
走るためには、背中を伸ばす・腕を振る・足を一定のペースで動かし続ける、といった体のコントロールが求められますが、発達障害児は体の機能が未分化なため、上手にコントロールできないのです。
③「力を出す」という感覚がわからないため
走り続けていると、少しずつ体がつらくなってきます。その時、私たちは「ゴールまであと少しだから、最後までがんばろう」「5分以内にゴールしたい。だから止まらず走ろう」など、ことばを使って力を出します。
ところが、言語認知力の弱い発達障害児は、ことばで考えて力を出すことができません。そのため、体に負荷がかかるとそれ以上「がんばる」ということができないのです。
そこで! 今回はマシンを活用して、上記の課題にアプローチしました。
①途切れずに走り続けよう!
マシンを使用することで、「一定時間、止まらずに走り続ける」という課題の意図が伝わりやすくなります。
この日は全員が5分~10分、走り続けることができました。
②体を意識して動かそう!
背筋を伸ばすよう背中をタッチしたり、腕を振るモデルを見せたり、体の各部位を意識するよう、支援者が介助しています。
正しいフォームを習得するには時間が必要ですが、繰り返し練習することで徐々に身についていきます。
③力を出そう!
個々の能力に合わせて「ちょっと大変だけど、最後まで走り続けられる」ように、マシンの速度と時間を設定しています。
「ちょっと大変だったけど、止まらず走れた!」「最後まで走りきれた!」という成功体験を重ねる中で、力を出す感覚を体で覚えていきます。
今回はマシンを使用して取り組みましたが、平地での走行や、坂道ダッシュ・階段ダッシュなどにも取り組んでいます。
走行は、気軽に取り組める生涯スポーツです。
課題や目標を意識して取り組むことで、発達を促すことができます。
また、休日に家族で取り組んだり、地域のマラソン大会に参加したりと、余暇の過ごし方もひろがりますね。
皆さんもぜひ挑戦してみてください!
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