発達障害と療育
発達障害について
発達障害とはどのような障害なのでしょうか?
発達障害は、以前は自閉症やアスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動症候群)などの診断名がついていました。
しかし、2013年のアメリカ精神医学会のDSM-5第5版以降、「自閉症スペクトラム障害」という、「脳神経の発生発達」における重度から軽度まで境界線が明確でない連続した(スペクトラム)障害であるという見解に統一されています。
自閉症スペクトラム障害の特徴
①コミュニケーションがスムーズにとれない
自閉症児には話せない子もいれば、話せる子もいますが、どちらにも言葉の遅れが認められます。
自閉症児の多くは健常児の3歳前の言語力に留まってしまいます。
したがって「ごっこ遊び、ルールの理解、善悪の判断」等がとても困難です。
「イヌもネコも動物である」といった共通概念の理解や「私」と「あなた」といった自他の区別もとても苦手です。
「お名前は?」と尋ねると「オナマエハ?」とおうむ返しに繰り返したりします。ですから、対人関係を構築するのがとても困難です。
②特異行動を示す
音声や接触に過敏に反応します。
言語認知力が低いので「言葉かけ」が「意味の分からない雑音」としてキャッチされたり、スキンシップが不快なタッチとして感じられたりと、健常者の受け止め方とは全く異なる場合がたびたびあります。
声のかけられ方、触れられ方によって不快反応を引き起こし、パニックになってしまうこともあります。
また、ロゴやマーク、場所などに異様なまでにこだわってしまうことも多くあります。
こだわりを制止されると非常に怒り出したり、激しく抵抗したりすることもみられます。
③パターン行動が顕著
ある特定場面で、特定の行動が自動的に引き起こされてしまい、それが繰り返し行われます。
これは「パターン行動」と言われ、言語認知力の弱い自閉症児は見たものや相手から受けた行為(刺激)に誘発されて、良くも悪くもパターン化された行動が出現してしまいます。